平蔵寺の文様瓦


 平蔵寺は各務原市の蘇原地区にあった古代の寺院です。厚見中林寺と同様に川原寺式の瓦を葺いおり、文様瓦も
見つかっています。資料が少ないため、その実態はほとんど分かっていませんが、小川家の資料で見ますと、厚見中
林寺のような打文より、手描き文様が主体のようです。  文様の位置は鐙瓦の顎の部分が大半、この部分に文様を付
ける習慣は朝鮮半島の新羅にあります。何か関係があるのでしょうか。今のところ、それを思わせる資料は見つかって
いません。
 この他に宇瓦の凸面に文様のあるものも見つかっています。
 これらは厚見中林寺の文様瓦に比べると施文法が丁寧で、より古い要素をもっています。私は美濃の文様瓦の元
祖は平蔵寺で、それが大量生産化されて厚見中林寺に供給されたのではないか、と考えています。
 平蔵寺はまだ整理していませんので、研究はこれからですが、美濃にとって重要な資料として取り敢えず紹介した次
第です。

鐙瓦の顎文様


宇瓦の凸面文様
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