書体の二系統
 美濃国印の書体は、主に二種類に分かれており、それをT類・
U類として区別しています。
 分かり易い部分を説明しますと、T類系の「濃」は三水が撥ね
ていますが、U類系は棒状です。これを「撥ね三水」「棒三水」と
いって区別しています。
 「曲」はT類では「辰」の1画が上に付くため、横画が1本増え
て「囲」となります。しかし、U類ではそれが省略されて「曲」のま
まです。これを「囲濃」「曲濃」と区別しています。
 T類系の「辰」は7画が離れて水色で表現した部分が「昼」の
ようになりますが、U類系では「尺」のようになります。
 「美」の後半の「大」の部分は「父」のように表記されますが、刻印段階のU類は「父」の1・2画が省略されます。反転印段階では、U類系の2点 は上に寄りますが、T類系では下に寄り、1点は9画に付きます。
 この他にいくつもの相違点がありますが、T類・U類はどの段階も常に並存しています。つまり、美濃国印は製作において、二つの系統が存在し ました。そして、常にT類が先導し、それにU類が倣って推移しています。このことから、T類系工人たちが主体となっていたと推測されます。
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