刻印と反転印

刻んで製作した印
「美濃刻印」は最初、1点1点を刻
んで製作していました。ここに載せ
た拓本資料は、刻んだ印です。刻
印は太字で大きい特徴がありま
す。 
原型反転印

最初に作られた反転印(TLT類)
 印の製作法は、そのうち粘土板に文字を書いて、それに粘土を押し付けて作るように変化しました。刻印は反転文字 を彫りますが、反転印は通常の文字を尖ったもので書く訳ですから、書体が崩れず、細い小型の文字を彫ることが可能 となりました。そのために、書体が整っています。
 また、原型に粘土を押し付けて作るため、複数個体の印が作れるようになりました。左図は最初に作られた反転印 で、TLT類と呼んでいます。この段階では今のところ2種類を確認しています。

 左の写真は須恵器に粘土を押し当てて型取りしたもので、左がTLT-1類、右がTL T-2類です。そしてその右が両者の文字を合成したものです。これを見ると、ほとん ど一致していることから、原版が同じであったことが分かります。ただ、1類より2類の 方が印面が狭いため、「美」の撥ねの先端を切り詰めています。「辰」の6画も曲がっ ているのも、この時に生じたのでしょう。「美」の2画が潰れていますが、これは印面を 起こした時に生じたと思われます。
TLT類からTMT類へ
 反転印の第一世代は、粘土板に文字を書いて原版を作りましたが、第二世代は原印を 粘土板に押し付けて、それを補正して作成しました。そのために原版段階で類似した複数 の印が出現しました。それに粘土を押し付けて印を作るため、元の印より二回り小さくなり ました。
 左図はTLT類から製作したTMT類の3種で、TLT類を縮小して合成した図です。3種 とも個性がありますが、元のTLT類と比較すると、ほとんど一致します。
T類系反転印の四世代
 T類系反転印はTLT類から始まり、TMT類、TST類、TZT類へと、第四世代まで 続きます。世代ごとに次第に小型化していますが、第三世代では三回りも小型化して 「国」字を付けました。「国」字だけは手書きとなったため、印によって多少のズレが生じ ています。しかし、やはり小型化に反するためか、削り取っており、次世代も省略してい ます。
 印は小さい方が使い易いので、小型化は製作者にとって効率化に繋がりました。幾 度か小型化を繰り返しているため、そこから編年が可能となりました。
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